秋田県内企業における経営者が有する人材育成に関する意識と投資の実態を調査し、人的資本経営の推進の手がかりを明らかにし、秋田県内企業のみなさまに将来への展望に必要な情報をご提供すること
プロジェクトマネジメント
齊藤伸英(有限会社サイテック、研究発案者・コーディネーター)
小酒井正和(玉川大学工学部、アンケート調査リーダー)
協力企業
株式会社 秋田銀行、一般財団法人 秋田経済研究所、秋田県商工会連合会、秋田県信用保証協会
参加学生
玉川大学工学部マネジメントサイエンス学科学生、エンジニアリングデザイン学科学生
4月18日(金) 定例会キックオフ
5月26日(月) 定例会準備MTG
5月30日(金) アンケート調査検討MTG
6月23日(月) 6月定例会 in 秋田県
7月15日(火) 7月定例会
8月12日(火) 8月定例会
9月16日(火) 9月定例会
10月21日(火) 10月定例会
11月18日(火) 11月定例会
12月16日(火) 12月定例会(予定)
秋田県内企業のアンケート調査
(1)人材管理・組織管理の状況、(2)持続可能な社会へ向けた取り組み、(3)人材・組織の状況、(4)経営成果 などに関わるWebアンケート調査を10月〜11月に実施予定。
アンケート調査の成果に基づく講演会・勉強会
定例会での議論、アンケート調査結果を解析して得られた知見を社会に還元すべく、講演会・勉強会を随時実施。
人が育つ会社は、人が辞めない。だから利益も伸びる。
7月定例会では、人的資本経営の重要性と実践に向けた課題をテーマに、多角的な議論が行われました。参加者からは、企業の持続的な成長や収益向上の源泉として、人的資本への投資の充実が欠かせないとの意見が多く出され、従業員のスキルやモチベーションを高めることが「人的資本への投資利回り」の向上につながるとの見方が共有されました。
議論の中では、人的資本経営を単なる人材育成にとどめず、組織風土の改革やエンゲージメントの向上に結びつけていく必要性が強調されました。特に、従業員一人ひとりが自身の目標や欲求を実現できる環境を整えることが、企業の持続的発展に不可欠であるとの認識が示されました。
さらに、地域の産業構造や企業規模に応じた実践のあり方についても意見が交わされ、日常業務の枠を超えた学びの場である「OFF-JT」の重要性や、経営理念と従業員の方向性を一致させる取り組みの必要性が指摘されました。
今回の定例会は、地域企業が人的資本を軸に競争力を高め、秋田から新たな価値創造を進めていくための手がかりを得る場となりました。
記録担当:小酒井正和(玉川大学)
社員が辞めない会社は、「安心して話せる職場」から生まれる
8月定例会では、従業員エンゲージメントをテーマに、企業がどのように働く人の意欲とつながりを高めていくかについて活発な議論が行われました。参加者からは、経営者と現場の意識のギャップに着目した意見が多く出され、従業員が安心して意見を交わし、主体的に行動できる職場環境づくりの重要性が共有されました。
議論の中では、従業員の退職理由の多くが人間関係や待遇への不満に起因することが指摘され、まずは基本的な環境整備がエンゲージメント向上の前提であるとの認識が示されました。また、地域に貢献しているという実感や、仕事の内容・配属先によってモチベーションが左右される現状についても意見が交わされました。
さらに、上司による指導のあり方も話題となり、感情的な指導よりも、筋道立てて論理的に伝える姿勢が従業員の成長意欲を高めるとの見解が共有されました。加えて、人手不足が若い世代の就職意識に影響を与えているとの指摘もあり、業界全体での発信のあり方を見直す必要性が議論されました。
今回の定例会では、経営者と従業員の相互理解を深め、心理的安全性の高い組織風土をつくることが、エンゲージメント向上と人的資本経営の実践につながることが改めて確認されました。
記録担当:小酒井正和(玉川大学)
エンゲージメント向上の鍵は「信頼関係」と「対話」にあり
10月定例会では、「従業員エンゲージメントの向上」をテーマに、(1)自社の人材育成に関わる具体的な施策、(2)自分にとってエンゲージメントを上げる諸要因について、それぞれの立場から活発な議論が交わされました。議論を通じて見えてきた核心は、エンゲージメントの向上は「信頼関係」なくしては実現しないという点です。特に小規模な組織では、日々の業務における横の繋がりがエンゲージメントの基盤となります。
この信頼関係を育む具体的な施策として、多くの参加者が「定期的なワンオンワンミーティング」の重要性を指摘。上司と部下が相互理解を深める対話の場が、心理的な安全性を高めるという点に関心が集まりました。
また、リーダーが施策の背景を理論的に説明し、メンバーの「納得感」を得ることの重要性も強調されました。
結論として、エンゲージメント向上には、信頼関係を土台とした継続的な「対話」と、丁寧な「説明」を心がけるリーダーシップが不可欠であると確認された、有意義な会となりました。
記録担当:小酒井正和(玉川大学)
人を思う会社は、絆で強くなる
10月定例会では、「人的資本経営と組織風土の変革」をテーマに、企業が人を活かし、組織をどう変えていくかについて、実践的な観点から活発な意見交換が行われました。参加者からは、経営者と従業員の双方の視点に立ち、人的資本経営の重要性やその具体的な進め方を多角的に考える意見が相次ぎました。
特に、経営者が従業員を“家族のように大切にする”という姿勢が信頼関係を生み、組織風土の改革によって新たな価値提案やビジネスの創出が生まれ、その結果として企業の成長力を高めるとの考えが共有されました。単なる制度の導入ではなく、日々の職場の中で「人をどう活かすか」を意識し続けることこそが、人的資本経営の実践における核心であるとの認識も示されました。
今回の定例会は、秋田で人的資本経営を広めていくための次の一歩となり、参加者にとっても、自社の経営を見つめ直し、新たな可能性を考える貴重な機会となりました。
記録担当:小酒井正和(玉川大学)
人に向き合う経営が企業を変える
11月定例会では、「東北地方の人的資本経営の取組」をテーマに、企業における「人」に対する捉え方の変化や人的資本経営の推進に向けた取り組みについて活発な意見交換が行われた。参加者からは、企業がセミナーなどに参加する動機や人的資本経営を取り入れる際のタイミングに関する意見交換が行われました。
議論の中では、人的資本経営に対する意識格差が課題として指摘された。重要性をあまり認識していない経営層に対し、どのように意識改革をすればよいかなどの意見交換がされた。これに対し、意識の高い企業を集め熱源をつくることや、身近な企業での導入実績を示し、実現可能性を具体的に伝えることが必要であると意見が挙げられた。
さらに、人的資本経営を取り入れる際には、事業継承など経営を見直すきっかけが重要であることも共有された。一方で、そのような転機を当面持たない企業にとっては、導入に踏み出しにくい現状があることも確認された。加えて、中小企業では人事担当者を配置していない場合も多く、経営者自身の意識向上が不可欠であるという指摘もされた。
また、リーダーシップ研修の必要性についての意見交換が行われた。多様なバックグラウンドを持つ人材が働く現場では、伝達や指導が難しくなっており、集団における指導力を高めるための研修の必要性が示された。
今回の定例会では、人的資本経営の認識を高めるには、事業継承などの経営を見直す機会づくりと、経営者自身が導入の必要性と実現性を理解することが重要であるという点が明確となった。参加者にとって、人的資本経営の推進に向けた課題と方向性を再確認する貴重な機会となりました。
記録担当:原洋平(玉川大学)